人間には自分でさえも意識することなく行っている深層心理というものがあり、日常生活のあらゆる場面で用いています。その中の一つに第一印象を認知する際には6秒間で判断しているというものがあります。初対面の方とお会いし会話をし始めた時も、6秒の間で話し方や容姿から判断し自分の中でのイメージを確立させているのです。
その無意識の感覚は店頭の商品選びにおいて顕著であり、製品を店頭で初めて目にした際に、好き嫌い、良し悪し、購入の有無までを一瞬のうちに判別しています。つまり、限られた短い時間の中でいかにターゲットの心に訴求でき「欲しい!」と思ってもらえるようにするのかが重要になります。
店頭販促のポイントは?
店頭プロモーションにおいて求められるのは、「目にした瞬間にしっかりと意味が伝わる上に売り場を離れても頭に残り続けている訴求力の強さ」です。スーパーマーケットなどの店頭では、商品を判断するのに主婦のお母さん達は6秒もかけていません。実際には0.3秒で判断していると言われています。さらに一つの製品に対して与えられているスペースが限定的なので、狭いところで強く記憶に残ってもらうようにしなければなりません。そういった点からつい目が向いてしまうPOPやツールを準備する事が求められます。蛍光ペンで手書きしたプライスカードや商品POPが重宝されている理由も「手書きで目立つ」「設置場所を選ばない」「親しみ・温かみを感じる」という理由からなのです。
栄養ドリンクを新たに開発し競争が激しい市場に投入したいのなら、疲労感を覚えている方が読んだ時に思わず背筋が伸びてしまうような印象が与えられると良いかもしれません。一方、旅行などは出かけるために数ヶ月前からプランを練って持ち物なども入念に準備しなければならないと思われていますが、思いつきで旅に出ても良いのだと思えるリラックスしたキャッチコピーにすると店内に足を踏み入れてもらえる場合があります。
このように「深層心理」という観点に軸を置いてみると、派手にすれば見てもらえるという考え方ではなく、心にひっかかるフレーズ、つい視線を向けてしまう、といった店頭訴求がいかに大事な事であるか見えてくると思います。