■閉店セールの悪用
チラシやホームページ、店頭告知で「閉店セール」を目にすることがあります。商店などが見納めであることや、店じまいによる在庫の一掃を目的に大量の客足を呼び込む商法なのですが、この「閉店商法」は、閉店予定のない店が行っている場合も結構多いのです。大量集客を狙い、チラシやホームページで予め告知を行っていたにもかかわらず、閉店したはずのお店が全く同じ場所で営業を再開している場合や、ひどい時には何年間にもわたって閉店セールを定期的に続けている店舗も存在しています。
■紳士服量販店の場合
業界的には、紳士服量販店などは「リニューアルによる一時閉店」や「新装開店セール」、「季節ごとに店内レイアウトを変更してクリアランスセール」を頻繁に行うことで知られています。大手の紳士服量販店では店舗撤退となる場合には、「完全閉店セール」としてそれらのセールとは区別しているようです。
■「無料」であるが故、悪意ある「閉店セール」には罰則規定あり
日本では消費者庁が、実際には閉店・廃業の予定がなかったり閉店する時期が確定していないにも関わらず、「閉店セール」と称したセールスを長期間行っているような場合に、一般消費者に対して閉店までの一定期間のみ特別に値引きが行われており購入価格という取引条件が著しく有利であるという誤認を与えるときには、景品表示法に定める不当表示に該当するおそれがあるとしています。<消費者庁 よくある質問コーナー(表示関係)>にその旨きちんと明記されています。
集客企画という観点で見れば、コストをかけず(企画コストは無料)多くの集客が狙えるこの「閉店セール」ですが、悪用していると罰則対象になる可能性があるという事も覚えておきたいですね。